医療観光(医療ツーリズム)とは、居住国とは異なる国や地域を訪ねて医療サービス(診断や治療など)を受けることである。有名どころは、韓国(美容整形)、タイ(性転換手術)、インド(激安)などが挙げられる。50以上の国が、自国産業の一つに医療観光があると報告している。

ヨーロッパの医療費が異常に高いことは報告(オランダスイス)しているが、自国で治療するより治療費が安い国で観光しながら治療しよう。という考えの人にはトルコはぴったりの国である。

恵まれた観光資源のあるトルコは、観光客受入人数 世界6位、日本は27位でトルコは日本の3倍以上の観光客を受け入れている。南や西海岸には欧米人が好みそうなリゾート地が点在し、内陸部にも見所が多い。ますます発展することは間違いないだろう。

実際、クシャダスで訪れた歯医者は如何にも医療ツーリズムを推奨している感じだった。適切なインフォームドコンセント、患者優先の治療方針、分かりやすい英語、キレイな内装(外観は汚い…)、日本の医療機器(トルコは日本の医療機器推奨)、安価な治療費(日本も安いが、ヨーロッパの1/3)、ヨーロッパからのアクセスも良いので、この流れは続きそうだ。




これは、外側のトルコ。内側のトルコはどうだろうか!?

日本の医療を支える象徴的な仕組みは、「国民皆保険制度」と「フリーアクセス(患者が自由に医療機関を選んで受診できる)」だ。トルコも日本同様にホームドクター制ではなく、日本と同じ勤務医制度。保険制度も政府の医療ファンドへの定期的な積み立てを労働者に義務付ける、UHI(Universal Health Insurance)と呼ばれる国民皆保険制度を採用している。
また、収入が法定基準を下回る労働者は無料で医療サービスを受けることができる医療給付システムも整備されている。国民皆保険になったことで、医薬品の仕入れに関しても政府介入(買い手)により、大幅なコストダウンになったようだ。自由市場経済に政府が介入すると、日本ではとんでもないことになりそう(日本市場から利益を生み出せなくなった製薬メーカーが路頭に迷う)だが、ココはトルコ。政府が強いです・・・。


日本と大きく違う点もある。トルコでは、国立病院の医療費は無料なのだ。病院には、大学病院、国立(公立)病院、民間病院などがあり、6割が国立病院、1割強が民間病院である。上記の医療ツーリズムの病院は民間病院に当たる。「費用は自己負担(一部保険適用)だが、施設・医療のレベルが高い民間病院」と「費用は無料だが待ち時間が長く、施設も貧弱な公立病院」との色彩が強かったが、医療改革によりその差は縮まっているらしい。しかし、民間病院は格付け制度があり、その結果も公表されるため、埋まらないサービスの差はあるだろう。これは欧州と同じ。何だか良い医療制度に思えてきた。この先、人口増加、医療費増大により、国家がどれだけもつかが重要になってくるだろう。


そういえば、セルチュク大学の歯医者は有料だった。
トルコ人だったら、無料だったのかな。と思う。
非常に長い時間待たされたが、設備もキレイだった。



さてさて、トルコでは、Acil(アジル)と呼ばれる24時間受診可能な救急病院を訪れた。

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手洗いの啓蒙ポスターが貼られていた。

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固形石けんってところがまだまだ(笑)
日本の病院では、ほとんど固形石けんが使われていない。
理由は、固形石けん自体や固形石けんを置いている場所が細菌の温床になり、院内感染に発展する可能性があるからだ。


啓蒙ポスターは石けんだけど、実際は液体石けんだった(笑)

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トイレはトルコ式。トルコ中部から東に行けば行くほど、トルコ式トイレが主流になった。

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トイロットペーパーもあるが、ホースがあるところを見ると、手で拭く(流す)人も多いようだ。
ちなみに、上のほうの大きいボタンを強めに押せば、水が流れる仕組み。
病院もきれいな感じ。謎の東洋人が突如入っていっても、普通に対応してくれた。
トルコの医療は発展する気がする。


医療制度を見れば、国民性や方向性が見えてくると幾度か言っているが、近年医療制度が刷新したトルコは今後成長する国の1つだと思う。
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2015 / 05 / 29 | Category : 〔 世界の医療制度 〕  | comments(0) | 

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