モシの標高は約800m、マラングの標高は約1500m。ゲートは1900m程度。キリマンジャロ登山の前日にキリクライマーのボス(ジャスパー)の家に泊まり、高度順応するのだ。
モシの町の宿に指定時間ピッタリに向かえに来る。
おぉ。アフリカらしからぬ時間ピッタリ行動に驚く(笑)
そして、マラングに移動し、マラングゲート付近で登山用品をレンタルする。
僕たちは、ストック2本、ダウンジャケット2枚(予備)、寝袋1つ(持参の寝袋に被せるため)、ミトン手袋2つ、目出し帽(バラクラバ)1つをレンタルした。サイズが大きいものが多くて、あまり良いものがなかったが、荷物はポーターが持ってくれるので、最悪の状況を想定して、必要以上の装備を持っていくことにした。しかし、寝袋もジャケットも嵩がハンパない。寝袋は、質もあまり良くないので、日本から持ってきたほうがもちろん良い。レインウェアも防水のしっかりしたものは置いていないと思われる。全部レンタルすると、どれだけの嵩になるのだろうか…。ストックに関しては、LEKIがあって正直驚いた。ダブルストックは必需品だと思う。
そして、マラング高度順応プチツアーのスタート。
しかも、ガイド付き!!
ガイドの自称Mr.Suzuki(笑)推定14歳!!
まさかの子供がガイドだった。
初めは恥ずかしそうな対応だったが、徐々に慣れてきて、色々な話をした。
学校のこと、将来のこと、ガイド経験のこと、民族について、草花について…。
とくに、草花に関する知識が豊富で僕たちを楽しませてくれた。
僕たちには雑草にしか見えない草も鈴木氏の手にかかれば、ハーブになる。
草を揉むとハーブ独特の香りが広がる。ユーカリ、レモングラス、ミント、コーヒー、マンゴー…。
驚いたのが、マンゴーの葉っぱ。葉っぱもマンゴーの香りがするんだよね。知らなかった。
マンゴー葉の精油が作れそうな気がする。
花や果物も色々教えてくれた。
た、楽しい。こういう体験型ツアーって大好きなのだ。
この無料のプチツアーがあるってだけで、キリクライマーにして良かったかなと思えた。
鈴木氏も楽しそうだ。
昼食は、ジャスパーの家で食べる。普通に美味しい!
午後からは、一番のオススメスポットの滝を見に行く。
なかなか行く道は険しく、キリマンジャロ登山の予行演習には持ってこい。
うーん。滝はイマイチ(((((((( ;゚Д゚)))))))
すごい滝を見すぎた気がする。滝は日本の滝が好きかも。
その後も、地元の小学校やローカルマーケットの案内もしてくれた。
着々とスワヒリ語も習得していく。
鈴木氏には日本語を教える。
なんと有意義な時間なのだろうか。
ありがとう鈴木氏!
ゆくゆくは間違いなく、優秀なキリマンジャロガイドになるだろう。
プチツアーと言いながら、4時間以上もマラングの野山を散策した。
大満足!!
そして、キリクライマーのボス(ジャスパー)の家に戻ってきた。
Wifiはさすがにないが、部屋は程よくキレイ。
夜ご飯も美味しかった。
モシより涼しく、ぐっすり寝ることが出来た。
さ~て、キリマンジャロに向けて出発しようではないか。
自転車旅には不要だが、登山には必要不可欠なもの…。
それは登山靴。
登山靴と言っても色々な種類がある。
登山靴の種類
ローカット
足首を自由に動かせ、重量も軽く、動きやすいのが特徴的。
ハイキング程度のよく整備された登山道を歩くのに適している。
しかし、雨になってしまったとき、靴の中が濡れやすい。
個人的に防水機能があるローカットシューズは、ソールもやや硬いため、ペダリングのロスも少なく、雨にも対応できるので、自転車に向いていると思う。ということで、僕は自転車に乗るとき、ゴアテックスのローカットシューズを履いていた(スカルパ エニグマXCR)。
KEEN(キーン)やMERRELL(メレル)もタウンユースにも対応した靴が多い。でも、ソールが滑るんだよね…。今は改善されたと聞いたけど、本当かな。
ミドルカット(ミッドカット)
足首を適度に保護し、歩きやすい。悪く言えば、中途半端。良く言えば、万能。自転車にも使いやすいが、ローカットより重いので、あまりメリットはない。
しかし、自転車も山も1つで済ませたい!と言う場合は、本当にピッタリだ。日本の山は急勾配な箇所が多いが、海外の一般人でも入れるような整備された山は勾配がゆるく、ミドルカットで十分な気がする。日本の山でも歩きなれた人なら、ミドルカットで十分かも(夏山)。
ちなみに、ユカはミドルカットで全てを賄っている。
KEEN(キーン) WOMEN TARGHEE II MID(ターギー2 ミッド)
靴幅が広く、偏平足な私の足にもぴったりな靴。足にフィットして柔らかいので歩きやすく、自転車も漕ぎやすい。紐をしっかり締めると足首はある程度固定される。下り坂の濡れた石畳や枯葉などで、やや滑りやすい。
ハイカット
くるぶしまでしっかりとホールドされる。ソールが硬く、凸凹の路面やガレ場でも歩きやすい。ハイカットの中でもライトタイプとハードタイプがあるが、冬山に行かない人ならライトタイプ(主にナイロン地)で十分。ハードタイプになると、堅牢さゆえの重さ、靴底の厚さゆえの歩きにくさが伴う。ハイカットは自転車には向いていない。ペダリングによりくるぶしのところが擦れて痛くなる…(経験談)。登山専用になってしまう。
僕は登山用に、
La Sportiva(ラ・スポルティバ) Trango Trek Micro( トランゴ トレック マイクロ) Evo GTXという、マイナーな登山靴を履いている。
しかも、ハイカットなので嵩張ること、嵩張ること。
これがなければ、、、と何度思ったことか。
でも、登山には必要不可欠な存在なのだ(((((((( ;゚Д゚)))))))
なぜなら…。僕は…。
▼ 足首が弱い!!
⇒ 屋久島縦走で足首を「グリッ!ボキッ!!」と強く捻挫して以来、足首の柔軟さを失っている。実際、アグラがかけない。。。川の水で冷やし、応急処置は完璧だったが、下山後、調子乗ってアルコールを飲んだばっかりに、パンパンに腫れて悪化させたのは内緒(笑)
▼ 膝が弱い!!
⇒ 腸脛靭帯炎(ランナー膝)を患って以来、腸脛部位がよく凝る。そのお陰でポジショニング、ペダリング、ウォーキングのフォーム、ストレッチ方法について真剣に考えるようになった。槍ヶ岳の下山中に発症したときは、もう大変だった。
▼ 筋肉が少ない!!
⇒ 自分でいうのもなんだが、世界最軽量自転車一周サイクリストだと自負している(笑)体重も筋肉量も自慢じゃないが、ハンパなく少ない。普段は、体重が軽いお陰で負担は少ないのだが、縦走するときに担ぐリュックの重さが僕をいじめる。。。
▼ 合う靴がない!!
⇒ 現地で靴を買ったり、借りたりすることも可能なのだが、本当に合う靴が少ない。かなりの幅狭、甲高という日本人に少ない足だそうで、数々のアウトドアショップ渡り歩き、自分に合う靴と巡り合うのに数年を要した。つまり、現地で靴を見つけるのは不可能だと思われる…。
書き出すと、ないない尽くしで気が滅入る(((((((( ;゚Д゚)))))))
よく、自転車で世界を走れているものだと改めて思う。
自転車は自分のペースで疲れたら休む、しんどいから、ここで泊まる。
っという風な融通が利くので長く続けられているのかもしれない。
しかし、登山は目的地まで行くか、撤退するかに迫られる。
出来る限り、万全の体勢で望みたいのだ。
今回、数年悩みぬいて選んだ「La Sportiva(ラ・スポルティバ) Trango Trek Micro Evo GTX」は、僕の足に奇跡的にフィットする数少ない登山靴なのだ。同じスポルティバでも岩場も樹林帯も何でも対応できる万能靴として人気の「Trango S」があるが、海外登山ではクライミングをしないので、クライミングソールを必要としない。Trango Trek Microには、一般縦走に向いているIBSソールが採用されており、柔軟性と耐久性、そしてグリップ、全ての面でクライミングソールより優っていると思う。本当に下りのグリップ力が今までの登山靴と違い、非常に安定感を感じる。
5000円もするインソールで足の土台を矯正!
さらに、
SUPERFEET TRIMFIT(スーパーフィート トリムフィット)という5000円もするインソールを入れている。
SUPERFEETは、足の骨格を正しく支持して安定させ、足の骨格、筋肉をより効果的に機能させるらしい。さらに、ヒールカップが深く、かかとを包み込み衝撃吸収能力を発揮する。足首や膝の弱い僕には足の土台から考えないといけないのだ(T-T)
登山用のソックスは?
意外と靴下も重要なのだ。どれだけ自分にあった靴を選んだとしても、100円の靴下を履いていたら、正直台無しだ。靴の機能を最大限発揮できていないということ。自転車用には、
INJINJI(インジンジ)RUN 2.0 Midweight Mini-Crewを主に履いている。
ズレない。擦れない。ムレない。疲れない。が大事なのだ。
今回選んだソックス
FITS(フィッツ) メリノウールソックス ラグドクルー/コール(厚手)名前の通り、フィット感が抜群に良く、履くというより吸い付くと言った方が適切かもしれない(ズレない、擦れない)。靴を選ぶ際も足への吸い付きを意識しているので、本当に画期的。この吸い付きは、足首やかかとへのホールド感を強め、揺れの少ない歩き方が出来る。そのため、長期的に考えると、疲れが少なくなる。
さらに、クッション性も高いため、疲れにくい(疲れない)。
ウールの靴下は素材の特性上、かなり乾きにくい。しかし、この靴下は、ウール69%、ナイロン24%、ポリエステル4%、ポリウレタン3%で構成されており、普通の靴下と遜色のなく乾き、内側をウール、外側をナイロンで補強することにより、丈夫かつドライに保つことが出来る(ムレない)。
最後に、耐久性。100%ウール靴下は毛玉になりやすく、繊維も伸びやすいが、この靴下はウール混なため、毛玉になりにくく、繊維もしっかりしており、耐久性も高く、洗濯後の型崩れも起きない。
ウール混靴下で有名な
smartwool(スマートウール) (ウール80%、ナイロン19%、ポリウレタン1%)より涼しく、耐久性も高いと思われる。値段が高いのが難点だが、他のものより耐久性が高い分、スリーシーズン長く使えるだろう。真冬の山は1枚ではキツイかも。
この凹凸のある立体製法が素晴らしい
長々と書いてしまったが、考えられる術をフル活用して山には挑んでいる。
キリクライマーのボス ジャスパーの家で前泊した僕たちは、ジャスパーの運転でモシの街に戻った。
キリマンジャロが僕たちを待っている。
事務所で車を乗り換え、その車のおんぼろさに引きながら、イギリス人2人を待つ。
待つ、待つ…。
来たのは、ブラジル人のアントニオ1名(笑)
しかも荷物が少ない!ウルトラライトスタイルなのかもしれない。
いやー、話が違う。
普段だったら、イライラ来るのだが、チップ固定にしたおかげで気が楽だ。
パーティーの人数が何人だって良いし、ポーターが予定の人数より多くたって構わない。固定にしていなかったら、チップシェア(ガイドやコックのチップは参加者同士で共有できる)する際に大揉めになる。チップ代金が2/4になるところが、2/3になるのだから、苛立ちは隠せなかっただろう。チップは固定に限る。
人が集まり、出発。この時点で10時。ここからまさかの登山に必要な食料や器具の買出し…。段取り悪い。。。大丈夫かな、と思える光景だ。登山は朝登り、昼に目的地に着くのがセオリー(山は夕方に雨が降りやすい)だけど、そんなことはお構いなしだ。
そして、マチャメルートの登山口に到着。入山料をクレジットカードで支払う(MASTER、VISAどちらでもOK)。ここでもジャスパーが書いた金額と若干の食い違いが…。当初$690/人(合計$1380)だったが、登山口では$1395/2人に…。割り切れないし、意味分からん。どういうことだ。と言ってもこの金額だと譲らない。まぁ、エントランスゲートは公の施設だから、上乗せ等は考えられないので、これもイギリス人2名がアントニオ1名になったためだろうか?自分達の入山料(キャンプ場代、レスキュー費含む)の他に、ガイド達の入山料・キャンプ場代も肩代わりしているということだろうか?
ここで僕の疑問がふつふつと出てきた。
実際、キリマンジャロの入山料の内訳がいくらなのだろうか…?
と気になったので入山料の内訳を調べてみた。
ジャスパーが言った入山料:$690/人
今回支払った費用:$697.5/人
キリマンジャロ保全費用(入山料):$70/人×6日(計$420)
キャンプ場代:$50/泊×5泊(計$250)
レスキュー費:$20/人(1回の旅行分、掛け捨て)
ここで$690
ジャスパーの言い値の値段だ。
というか、入山料もキャンプ場代も高すぎだよね。
ちなみに、マラングルートの場合は、キャンプ場の代わりに山小屋代が$60/泊かかる。
それでは、7.5$は一体何だろうか。
最後の方にこんな記載があった。
ガイド・コック・ポーター費用:入山料1500×6、キャンプ代2000×5シリング/人(約$8.5/人)
今回、ガイド1名、サブガイド1名、コック1名、ポーター7名の総勢10名だったので、約$85かかっている。もし、この金額も僕たちが負担だった場合、もう少し入山料が高くなる。
3人で割っても約$28。
んーーーーー、分からん!分からん!!
僕の解釈ミスかもしれない。
Crew fee per person per day for Kilimanjaro.
何人でも一律の可能性がある。
Per personはガイドやコックではなく、僕たち旅行者のことだと解釈すると、
ガイド・コック・ポーター費用:入山料1500×6、キャンプ代2000×5シリング/人(約$8.5/人)
まぁ、$1ぐらいは固定為替を採用していれば、ありえる変動かもしれない。
そういうことだろう。きっと。
ちなみに、これらの金額は
タンザニア国立公園というオフィシャルサイトに記載されている(
parkfees一覧はコチラ)。
改めて…、入山料高すぎじゃない??
そのため、正規の入口ではなく、裏口から入るツアー会社もあるらしい。まぁ、キリクライマーズのように、入山料をクレジット払いさせてくれるツアー会社は問題ないだろう。
いつも通り、超脱線(笑)
12:00登山スタート(標高約1800m)
ガイドは手続きに手間取っていたため、来ず。道順に行ってと言われる。こんなものなのか…?
サルがお出迎え
樹林帯をズンズン進む
左:途中で合流したサブガイドのジャスティン、右:アントニオ
アントニオは異常に元気だ。テンションが上がりきっている様子。
さすが、ブラジリアン。
普段着なのが気になったが、それもスタイルなのだろう。
道中、ジャンクフードの極みの昼食を食べる(笑)
ポーターはこんな感じで荷物を持ち歩いている。
僕なら首が折れそうだ(笑)
標高もまだまだ低く、傾斜も緩やかなキレイな道を進む。
ジャスティンはゆっくりゆっくり(ポレポレ)と言うので、僕たちは従う。
標高が低いとは言え、2000m後半まで来ているので、急がない方が良いのは僕たちも分かっていた。しかし、テンションが上がりきっているアントニオは、自制できずにズンズン進んでは、サブガイドと僕たちを待つ展開に
これから、大丈夫かな。
マチャメハットに難なく到着(標高3000m)
テント設営もしてくれる(気に入らないところは自分で直すw)
料理の準備に取り掛かる
こんな感じで調理している(調理室兼ポーターの寝床)
左:ガイドのディビット、中央:コック見習い、右:コック
その間、僕たちは、ミロや紅茶やコーヒーやらを飲む(全部新品)。
大量のポップコーンで腹が膨れる(笑)
この際に、衝撃の事実が知らされる。
ガイド「寝心地は良さそうか?」
アントニオ「寝袋いつくれるのかな?」
一同「えっ・・・・・・・・」
アントニオ「事務所で何も持って行かなくて大丈夫って言っていたから」
一同「えっ・・・・・・・・」
それは、レンタルできるという前提が抜けている( ̄■ ̄;;
僕たち「服は大丈夫??」
アントニオ「長袖Tシャツ3枚あるから大丈夫。靴下もいっぱいあるしね!」
一同「えっ・・・・・・・・」
ガイド「雨具は?」
アントニオ「そんなものないよー(笑)」
笑えない。
アントニオは、ウルトラライトな服装じゃなくて、ウルトラ何も持っていないだけだった!!
衝撃すぎる( ̄■ ̄!!!
さらに・・・
ガイド「今日はサブガイドの前を歩いていたけど、明日からは後ろを歩いてね」
アントニオ「僕には無理だ!!!あんなにゆっくり歩けない!!!」
一同「えっ・・・・・・・・」
※ アントニオはかなり抜けているが、ものすごくイイやつ
寝袋が1つどこからともなく現れて、アントニオの元へ。
でも、薄い寝袋だから、今後キツイだろうと予想される。
気を取り直して、晩ご飯。
豪華でお腹いっぱい。
登山すると体重がグッと落ちるタイプだけど、これだけ食べると体重が増えそうな気がしてきた。
アントニオを心配しながら就寝した1日目………、つづく。
キャンプ生活の多い僕たちにとって重要なもの。
テント、
マット、寝袋(シュラフ)。
今回、寝袋について紹介していく。
寝袋は形状、素材でそれぞれ大きく2つに分けることができる。
寝袋の形状の種類
封筒型
布団型と言っても良いと思う。
寝心地は圧迫感がなく、普段の布団に近い。低価格の商品が多いのも魅力的。
一人暮らしの家に一つあると、急な来客にも対応できる。
ただ、重く、収納時に嵩張るため、積載量に限界がある登山、自転車、バイクツーリングには不向きだ。夏のオートキャンプに行く際にはもってこいだと思う。
マミー型
マミーだけあって、ミイラのような形をしている。
ネーミングセンスに疑いを持つ(笑)
寝心地は若干の圧迫感があるものの、そのおかげで体と寝袋の密着度が高いため、寒さには強い。さらに、コンパクトで軽いため、積載量に限界がある登山、自転車、バイクツーリングに向いている。
日本企業の登山用定番寝袋は、モンベル、ナンガ、イスカといったところ。
寝袋の素材の種類(中綿)
化学繊維
ダウンと比べて重く嵩張るが、洗濯できたり、濡れても保温性が保たれたり、値段が安いという利点もある。積載量に限界のある登山、自転車、バイクツーリングの場合は、コンプレッションバッグを用いて小さく保管することで使える。繊細なダウンに比べて、取り扱いが楽なので、使い勝手は良い。僕が化学繊維の寝袋で最も嫌なのが、収納方法。きっちり畳んで、空気を抜いて袋に入れないと、入らないのだ。意外とこの作業がしんどい。これも、バッグ型のコンプレッションバッグを用いると改善されるので、ありかもしれない。
ダウン
化学繊維に比べて、軽く、コンパクトに保管できる。小さい割に温かい。収納も適当に収納袋にガシガシ入れるだけで良いので本当に楽。しかし、容易に洗濯(洗うより乾燥が大変)できなかったり、濡れに弱かったり、保管状態が悪いとカビ(動物性の羽なので)が生えたりと取り扱いが繊細。その上、高い。コンプレッションバッグでさらにコンパクトにできるが、ダウンに圧をかけるので、羽根折れの危険性があり、あまりオススメしない。と言いながら、みんなやっているので大丈夫なのかもしれない(笑)
自転車旅の向いている寝袋とは?
条件によって選ぶ寝袋は変わるので、1つ選んでコレだ!
と言うわけにもいかない(マミー型は必須)。
どんな旅にするのかが大事なのである。
氷点下だって、頻繁に野宿する場合
氷点下に耐えるためには、中綿量が多くないといけないので、化学繊維は厳しい。そのため、ダウン量の多い寝袋を選択するべき。
具体的に書くと、
ナンガ(NANGA) オーロラ600DX、
モンベル (アルパイン)ダウンハガー800 #2、
イスカ(ISUKA) エア450X辺りだと思われる。価格は3~4万ってところか。
氷点下のときは極力キャンプをしない場合
スリーシーズン用の寝袋であれば、何でも良いと思う。積載量を考慮に入れると、化学繊維タイプ+コンプレッションバッグ、またはダウンになるだろう。重さも考慮にいれると、ダウン一択になる。
具体的には、
モンベル (アルパイン)バロウバッグ#3(化学繊維タイプ)+
モンベル コンプレッションスタッフバッグS">モンベル コンプレッションスタッフバッグSの組合せか、
モンベル (アルパイン)ダウンハガー800 #3が適していると思う。氷点下では、足元が寒くなる場合があるが、大丈夫な範囲内。
+
温暖な地域のみキャンプ、ホテルがほとんどな場合
掛け布団のない安ホテルも多々あるので、寝袋は万一に備えるという考え方。積載量を考慮に入れると、スリーシーズンのものと同じで、化学繊維タイプ+コンプレッションバッグ、またはダウンになるだろう。
具体的には、
モンベル アルパインバロウバッグ#5か#7+
モンベル コンプレッションスタッフバッグS">モンベル コンプレッションスタッフバッグSの組合せか、
モンベル アルパインダウンハガー650か800、#5か#7が適していると思う。
ダウンの寝袋の最軽量は、
モンベル アルパインダウンハガー800 #7が371gとめちゃくちゃ軽い。
僕たちが使っている寝袋
〔 商品説明 〕
【総重量】 858g
抜群の快適性を実現し、コストパフォーマンスに優れ、夏の高山から冬の低山キャンプまで一年を通して使えるトータルバランスに優れたモデル。
収納サイズ:16×16×32cm
新規格:【コンフォート温度】4℃、【リミット温度】-1℃
(旧規格・・・快適睡眠温度域:0℃、使用可能限界温度:-10℃)
〔 商品説明 〕
【重量】573g
超軽量・コンパクトで高い快適性を実現し、夏の高山から冬の低山キャンプまで一年を通して使えるトータルバランスに優れたモデル
収納サイズ:13×13×26cm
新規格:【コンフォート温度】5℃、【リミット温度】0℃
(旧規格:【コンフォート温度】6℃、【リミット温度】1℃)
2015年より、モンベルの商品名のラインナップが変わっているようで、最適温度規格も変更されていた。実際使っている感じでは、アルパインダウンハガー800 #3より、ダウンハガー650 #3の方が圧倒的に温かく、入っているダウン量も多いように思える。生地もダウンハガー650の方がマットでダウンがフカフカして気持ち良い。650FP程度が寝袋としての寝心地が良い気がする。FP値が大きくくなると、膨らみ度合いが大きい分、ダウンの量は少ない。背中の部分はどうしても潰れてしまうので、ある程度の量のダウンがあった方が個人的に寝心地は良いと思う(フィルパワー(FP):羽毛1オンス(28.4g)当たりの膨らみ度合いを立方インチ(2.54cm立方)で示し、数値が大きいほど良質なダウンといる)。
フィルパワーについては、コチラも参考に
⇒
自転車世界一周に持って行った防寒具たち レイヤリングが重要一方、アルパインダウンハガー800 #3の生地はシャカシャカしており、生地を軽量化した分、薄く、寝袋内の温度が外に逃げやすい気がする。中から光を当てると、ダウンハガーは光が外に出ないのに対して、アルパインダウンハガーは光を通す…。そのため、氷点下以下の場合、足元や腰が冷えやすく、しっかりと着込まないといけない。
収納に関しては、アルパインダウンハガーの方が3周りほど小さい。機能はダウンハガーで、嵩と重さはアルパインダウンハガーが優れている。
万能寝袋発見!?ダウンハガー800 women's #3
その悩みを解決するかもしれない商品を一つ見つけた(ダウンハガー800 women's #3)。女性用だが、保温性に優れ、とくに冷えやすい足元のダウン量が20%増しという考え方も素晴らしい。レギュラーモデルはやっぱり女性には大きく、隙間ができて保温性が低下してしまう。機能はダウンハガー以上、嵩と重さはアルパインダウンハガー並み。身長170cm以下で冬山キャンプをしないのであれば、これで全てを賄え、コストパフォーマンスから見ても一択になる代物のような気がする。残念ながら、標準身長の僕にはやや小さいかもしれないが、一度寝てみたい。こういうラインナップの多さは、さすがモンベルだ。
〔 商品説明 〕
【重量】588g
女性が快適な睡眠をとれるよう女性体型に合わせた独自パターンを採用し余分なスペースを省く事で保温効果を高めている。レギュラーモデルと比較し足元のダウン量を20%アップし、夏の高山から冬の低山キャンプまで1年を通じて使えるトータルバランスに優れたモデル。
収納サイズ:13×13×27cm
【コンフォート温度】3℃、【リミット温度】-2℃
インナーシーツも自転車旅や登山には重要
長い間お風呂に入れない場合が、自転車旅や登山にはある。そんな汚い体でなかなか洗えないダウンシュラフに入ると…、すぐに汚れてしまう(とくに、頭や首の部分)。それを予防するために、シーツを中に引くのである。
シーツの役割
① 寝袋の汗や汚れ防止
② 寝袋の保温性の向上
③ 夏場の寝袋の代わりとして
④ 蚊避け(潜り込む)
僕たちが使っているシーツ
イスカ シルクシーツと
deuter(ドイター) T/Cライナー。
シルクシーツは肌触りが良く、寝袋と一緒に収納できるぐらい軽量・コンパクトで洗濯後もすぐ乾く。ただ、高い…、とくに
モンベル シルクシーツは高い。イスカのシルクシーツは他のものより安いのでオススメだ。僕は、旅前から夏キャンプ用に持っていたT/Cライナーをそのまま持ってきた。シルクシーツと比べると、重く、嵩高いが、コットンのような風合いでとても気持ち良い。アルパインダウンハガーがシャカシャカするので、このコットン感がたまらなく好きだ。コットンの風合いのため、洗濯したらなかなか乾かないだろうと思ったのだが、意外にもシルクと同じくらい速乾性。
だが、T/Cライナー(ドイター)が欠品中(廃盤?)。安くて、良さそうなものがないか調べたところ、ロゴスのシルキーインナーシェラフが良さそう!次買うなら、コスパの優れたコレだな!
暑いときは、シーツだけ。少し寒いときは、シーツの上に寝袋か被せるだけ。寒いときは、寝袋の中にシーツを入れて保温性を高める。暑くなってきたら、ジッパーを開ける。などと、様々な状況で多様に使えるので役に立っている。ちょっと汚いホテルの場合も自前のシーツで寝るときもある。オススメ!
キリマンジャロ登山 2日目
マチャメキャンプ場(3100m)からシラキャンプ場(3840m)まで比較的楽な道を進む工程。
朝食はウージと呼ばれるトウモロコシ粉、ピーナッツ粉、ショウガ、砂糖等をお湯で溶いたスープでやや甘酸っぱい味がする。正直、美味しくないが、体に優しいパワーフードだと思い込ませて、食べ続ける。何でも気持ちが大事なのだ。
マチャメキャンプを8時ごろ出発!
朝は快晴で気持ちが良い。
途中、屋久島の太鼓岩に似た岩場で休憩。
樹林帯の屋久島が懐かしい。
ここはもう3000m以上なので、草木も少なくなってきている。
日本の3000mだと全く草木はない森林限界なのだが、アフリカはまだ緑はちょこちょこ生えている。なぜだ。
山の天気は変わりやすい…。曇ってきた。
雨具の持っていないアントニオにとっては危機!!
ちょいとペースを上げ、マチャメキャンプ場(3100m)からシラキャンプ場(3840m)まで4時間足らずで到着した。キャンプ場に着くたびに、色々書かされる。
着くとすぐにティータイム。またしても大量のポップコーン。
食べ終わる頃に昼ごはんが出てきた。本当に至れり尽くせりである。
昼食後、暇だったので、僕たちと同じ日に何組か同じルートと来ている各ツアー会社を見回ると…。
嫌でも格差を感じてしまう(笑)
上:僕たちのキャンプと公共トイレ、下:高級ツアーのキャンプと自前のトイレ
公共のトイレは臭いので高いツアーのところは、簡易トイレも持ってくるようだ。どれだけVIP待遇なのだろうか。日本の山小屋のトイレも相当臭いので、問題ない(笑)
そして、高級ツアーはガイドの装備を見ただけでも、しっかりしていると感じられる。僕たちは、、、ガイドはいつも同行せずに、サブガイドに任せきりな状態…。サブガイドもあまり休憩を取らないタイプなので、全体の様子を見て休憩を催促しなければならない。
ココが格安と高級の差なのかもしれない。
と、他のツアー会社を偵察している僕たちを尻目にアントニオは…。
自分の世界に入っていた(笑)
のんびり高度順応も兼ねて散歩したりしていると、
夕食の準備が始まった。
今日も美味しそう!テントとトイレとガイドに格差を感じたが、食事に関しては全く引けを取っていない豪華さだ。
シラキャンプ場は3840mなので、すでに富士山(3776m)より高い位置まで来ている。高山病は全く気配すらなかったが、夜間の寒さが心配になってきた。
とくに、防寒具を持っていないアントニオにガイド達は何もしようとしない。
ここは自己責任なのか…?
そこで、
僕たち「予備のダウンジャケット持っているから使ってよ」
と、アントニオに促すが、頑なに…。
アントニオ「大丈夫さー、何枚も長袖あるから!平気、平気!」
と、ラテン系のノリで断る。ホント借り物だから問題ないよ。と何度も言っても…。まぁ、仕方ないか。ダウンはあるが、今後必要な雨具がないとキツイのになぁ。
さすがに僕たちは雨具の予備は持っていない。
どうするアントニオ!
そして、深夜。
3800mの夜空は予想以上にキレイ。
高級ツアーであっても格安ツアーであっても同じ感動を共感できる。
夜明け前、トイレに行こうとすると、テントがバリバリに凍っていた。
おそらく、-5℃ぐらいだっただろう。
薄い寝袋に長袖Tシャツを何枚も重ね着して寝ているアントニオが不憫でならない( ̄■ ̄;;
翌朝…。
強張った顔でアントニオが現れた(笑)
アントニオ「すごく、すごく寒かった…、ダウンジャケット貸してください」
僕たち「喜んで!」
アントニオ「おぉ、なんて暖かいんだ!僕はハッピーだよ!!」
と、無事に渡すことができた。
アントニオは抜けているが、純粋で優しい性格なので、僕たちも嬉しい気持ちになった。
もし、僕たちが予備のダウンジャケットを持っていなかったら、ガイド達はどういう対応だったのだろうか。興味はあったが、おそらくそこはドライだっただろう。高級ツアーだったら、対応は違っただろうが…。というか、事前にちょっと荷物確認すればこんな自体は未然に防げただろう。