自転車で世界を回ると、40℃越えの地域もあれば氷点下の地域もある。
自転車旅は積載量に限界があるので、嵩張る冬物は、オーバースペックにならないように気をつけなければならない。

そこで、大事なのが「レイヤリング(重ね着)」である。
1枚のウェアでは実現できない機能をウェアを重ねることで生まれる相乗効果を狙うのだ。レイヤリングは大きく分けて、アンダーウェア(下着)、ミドルウェア、アウターシェルの3つに分けられる。

以下、この3層について解説していく。


アンダーウェアの特徴とオススメ


アンダーウェアの意義は、体から出る汗をすばやく吸い上げ、生地の表に放出することによって、体を濡れから防ぐことにある。

直接肌に接するウェアは、ポリエステル系が主流である。
その目的は、「撥水」、「吸汗」、「拡散」、「防臭」にある。
撥水、拡散に特化しているアンダーウェアは、ファイントラック(finetrack) スキンメッシュロングスリーブだろう。皮膚から出た汗を瞬時に外に排出してくれるので、体は常にサラサラな状態を保ってくれる。

さらに、キリマンジャロのアタックや極寒地域を走る際は、この上に濡れても保温性があるモンベル スーパーメリノウールを着ると、汗を吸収し、かつ保温も同時に行えるので寒い地域ではこの組合せが最も効率的かもしれない。

寒い地域でない場合でもアンダーウェアは重要である。
自転車旅においても、一番良い(高機能性)ものを買うべきウェアはアンダーウェアだ。
自転車を漕ぐと、汗がでる。坂道だとハンパなく汗をかく。そんな汗を吸ってくれて、拡散してくれる服は、最も重宝するのだ。

僕たちは、モンベル ウィックロンを愛用している。
速乾性などの高機能性だけでなく、風合いが良いのだ。僕は肌触りがチクチク(ザラザラ)したような素材や締め付けが嫌いで、パタゴニアのキャプリーンやモンベルのジオラインが好きになれなかった。
一年間以上、ウィックロンのシャツを着ている。
さすがに、色褪せて、防臭機能は失われてきたが、まだまだ使えそうだ(見た目的には使えないw)。


アンダーウェアのオススメ


寒冷地:ファイントラック(finetrack) スキンメッシュロングスリーブメリノウール素材のシャツ

温暖地:モンベル ウィックロン長袖シャツ

  


ミドルウェアの特徴とオススメ


ミドルウェアの最も重要な役割は保温である。
具体的なミドルウェアの種類は、フリースとインナーダウンが挙げられる。

フリース


▼ 利点
⇒ 濡れても保温性が保たれる
⇒ 雑に扱える
⇒ 透湿性が高い

▼ 欠点
⇒ 重く、嵩張る
⇒ 保温性が低い
⇒ 風を通す


フリースは、多量に汗をかいても汗冷えし難いので、行動着のミドルウェアに最適。
分厚いフリースだと持ち運びが不便なので、薄手のものを選んだほうが用途は広がる。
例えば、パタゴニアR1モンベル クリマプラス100 ジャケットやシャミースあたりがオススメだ。僕は、モンベル トレールアクション パーカを愛用している。

トレールアクション

普通のフリースよりストレッチ性と保温性が高く、フードもついている。
初めは、フードは必要ないのでは…、と思っていたが、使ってみると用途は広い。

フードの利点


① フードを被った状態でヘルメットを被り自転車に乗ると、かなり暖かい。
⇒ 耳も保温(保護)できるので、寒冷地にも対応できる。

② フードを被り、ジッパーを上まで上げると、目元以外の部位をすっぽり覆える。
⇒ バラクラバ(目出し帽)のような使い方。キリマンジャロではかなり役立った。

③ ジッパーを上げた状態で寝袋に入ると、かなり暖かい。
⇒ 寝袋は冬山使用でない場合、顔部分が大きく開いているので、寒いのだ。

意外と知られていないフリースだけど、オススメの一品。


  


インナーダウン


▼ 利点
⇒ 軽い
⇒ コンパクト
⇒ 保温性が高い

▼ 欠点
⇒ 濡れると保温性が失われる
⇒ 雑に扱えない
⇒ 透湿性が低い


インナーダウンは、テントや山小屋での室内着として最適。
透湿性に劣り、汗をかくと保温性が落ちるため、行動中には向かないと言われている。
しかし、保温性が落ちるまで汗をかいた経験がない。

透湿性の劣るものを中間着に着ると、レイヤリングの考え方(汗を外に逃がす)に反してしまうが、正直問題ない気がする。例えば、キリマンジャロのような高山の場合はゆっくり歩くため、体温が上がりにくい(汗をかかない)。そのため、中間着にダウンを着ても問題ないと思う。保温性が落ちたとしても、予備を1枚持っていれば、何の問題もない。フリースを持つより、インナーダウンを2枚持ったほうが、重量的にも、嵩的にも優れている。


 


ユニクロのフリースとダウンは登山用ミドルウェアに使える?



フリースとダウンと言えば、ユニクロ!と答える人も多いのではないだろうか?
登山用品として、ユニクロを使うことには賛否両論があるようだが、僕は「アリだ」と思っている。でも、使う条件と違いが分かった上で使うかどうか決めることが大事だと思う。

ユニクロ

ユニクロと登山用フリースの違い


⇒ 裁断と縫製の仕方
⇒ ストレッチ性、通気性
⇒ 重さ、嵩高さ
⇒ ブランド力
⇒ 値段


登山用は登山に特化しているため、フリースに様々な機能が追加されている。
ユニクロのフリースはプレーンなものと考えて良い。
言い換えれば、快適性を犠牲にすれば、ユニクロでも全く問題がない。しかし、積載量の限界のある登山では、フリースの嵩高さがかなり邪魔になる。そのため、コンパクトになる登山用のフリースを選びたくなるのが本音だ。


ユニクロ(ウルトラライトダウン)と登山用ダウンの違い


⇒ 裁断と縫製の仕方
⇒ ストレッチ性、防水性
⇒ ダウンの品質(FP:フィルパワー)
⇒ 重さ、嵩高さ
⇒ ブランド力
⇒ 値段


まず、ダウンの品質が異なる。
主に登山用は800FP以上、ユニクロは640FPのダウンを使用している。
FP(フィルパワー)とは、寝袋の記事でも書いたが、羽毛30g当たりのふくらみ度合いを立方インチ(2.54cm立方)で示している。ユニクロダウンの「640フィルパワー」とは30gの羽毛が640立方インチの体積に膨らんでいることを表し、数値が大きいほど良質なダウンといえる。

以下のように規定されている。

▼ 低ダウン品 - FP500以下
▼ 良質ダウン - FP600~700
▼ 高品質ダウン - FP700以上

chubu-fillpower.jpg


ユニクロが良質ダウン、登山用は高品質ダウン。
しかし、いくら高品質ダウンでダウンの膨張率が高くても、入っている量が少なければ、暖かさは同じなのである。言い換えると、同程度の保温力を持ったダウンジャケットを作った場合、「640FP」と「1000FP」に出る違いは重さだけなのだ。
しかも、膨張率の高いインナーダウン(FP800以上)は、ダウンの封入量が少ない場合が多く、ダウンのコシが弱い気がする(もちろん、アウターとして使うものは話が違う)。過酷な状況で使い続けるとへたりも早い。なおかつ、登山用のインナーダウンは値段も高いため、下手に洗ったりできない。気を使うのだ(笑)

その点、ユニクロのウルトラライトダウンは、すごく雑に扱える(これ大事)。
元々、インナーダウンの重さなんて軽いものなので、あえて700FP前後のダウンを使用して、ダウンの封入量を増やし、へたりづらく、コシのある使用感を出した製品の方が僕は欲しい。ユニクロのウルトラライトダウンでは、ダウン量が少し物足りないが、インナーダウンとしては許容範囲内だろう。ユニクロのダウンは、登山用のインナーダウンに比べて、機能は大きく変わらない(防水機能は劣る)のに、価格はセールで買えば1/3なのだ。ココまでコストパフォーマンスの良い理由を知りたい。さらに、ダウン抜けの少なさは、登山用を上回る気がする。防水を気にするならば、2着持っていけば良いのだ。

ということで、僕たちはユニクロのウルトラライトダウンを持っている。


DSC076664.jpg


結論


タウンユースとして考えて作られているユニクロのダウンやフリースでも、しっかりとレイヤリングさえできていれば、-20℃程度の山でも中間着として使える(冬の硫黄岳で使用経験あり)。


アウターシェルの特徴



アウターシェルは外から来る水、つまり雨を完全に防ぐためのものである。しかし、アンダーウェアからミドルウェアを通って放出された水蒸気はアウターシェルの外に出ないと、その水蒸気は水に戻ってしまう。そのため、アウターシェルはゴアテックスのような防水透湿性素材でないといけない。詳細は雨具の装備で書いているので割愛する。


ボトムスのレイヤリングのオススメ



レイヤリングについて書いてきたが、全てトップスの話。
同じレイヤリングの話がボトムスでも言える。
でも、汗のかき方がトップスと異なり少ないため、暖かさ重視で良いと思う。


▼ 僕たちのボトムス
アンダーウェア:ミズノ ブレスサーモ ヘビーウエイトロングタイツ/ヒートテックタイツ(ユニクロ)
ミドルウェア:登山ズボン/モンベル スペリオダウンパンツ
アウターシェル:レインウェア


ダウンパンツは、スリーシーズン用の寝袋で寝る際に履くと、冬用の寝袋並みの暖かさになるので重宝する。軽量・コンパクトなので、良い買い物だと思う。ただ、若干ダウン抜けしやすいように感じる。


 

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2015 / 07 / 10 | Category : アウトドア関連  | comments(0) | 

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