桑爺からマラリアの話を聞いて、さらにマラリアについて考えるようになった。

今までは、発症の疑いがあれば、すぐ病院に行けば良い。
と思っていたが、近くに病院があるとは限らない。
医療レベルも低く、期待するような治療は望めない可能性が高い。

自分達なりに色々考えたマラリア対策を紹介する。



マラリアの種類、感染経路および症状



 マラリアはマラリア原虫(Plasmodium)という寄生虫によって引き起こされる疾患だ。この寄生虫をもったAnopheles mosquitoes(ハマダラカ)に刺されることで人間に広がる。


マラリアの種類


人に対しマラリアを引き起こす原虫には、以下の4種類がある。
● 熱帯熱マラリア原虫 Plasmodium falciparum 
● 三日熱マラリア原虫 Plasmodium vivax
● 四日熱マラリア原虫 Plasmodium malariae
● 卵形マラリア原虫   Plasmodium ovale
 
このうち、熱帯熱マラリアと三日熱マラリアがよくみられ、アフリカでは、最も致死性の高い熱帯熱マラリアが多い。


マラリアの感染経路


マラリアは、マラリア原虫をもったハマダラカ属の蚊に刺されることによってのみ感染伝播する。
感染伝播の程度は、寄生虫、媒介する蚊、宿主である人および環境に影響される。

世界には、マラリア感染に関与するハマダラカ属が20種類程度存在する。
そのような媒介蚊は、すべて夜間に吸血する。
アフリカでは、最も致死性の高い熱帯熱マラリア原虫をもった媒介蚊の寿命が他の地域の蚊より長く、人の血液を好んで吸血するため、世界のマラリア死亡者の90%以上がアフリカで発生している。


マラリアの症状


マラリアは急性熱性疾患だ。
マラリアへの免疫をもたない人では、感染した蚊に刺されて7日(通常は10日~15日)以上経過してから発症する。初発症状(発熱、頭痛、悪寒、嘔吐)は軽く、あまりマラリアとは気づかない。しかし、熱帯熱マラリアは24時間以内に治療しなければ、重症化し、しばしば死に至る。

桑爺の話では、症状にはパターンがあるらしい。
夜から朝にかけて、悪寒と発熱、激しい腹痛と嘔吐、昼から夕方は元気になるらしい。この繰り返しを1週間耐えれるかどうかが鍵なようだ。だから、昼から元気になったと言って、外に出たり、アルコールを飲んだら、危険なことになる。



マラリアに関するここまでの重要事項



▼ マラリア原虫をもったハマダラカに刺されると感染する。
⇒ ハマダラカであっても、マラリア原虫を持っていないと感染しない。また、マラリア原虫を持っているハマダラカに刺されても、必ず感染するとは限らず、宿主と環境に左右される。

▼ ハマダラカは、夜間に吸血する。
⇒ 夜間の対策が大事。

▼ アフリカでは致死性の高い熱帯性マラリアが多く、蚊自体の寿命が長く、血が好物。
⇒ 好戦的過ぎる

▼ 初期症状は軽くても、熱帯熱マラリアは24時間以内に治療しなければ、重症化し、しばしば死に至る。
⇒ 初期症状でマラリアと判断できずに放置すると命取り。


★☆★ 夜に刺されないこと、早期診断、早期治療が重要


蚊に刺されないためには?



▼ 蚊取り線香、蚊取りマット等
⇒ 部屋にいる蚊を排除する。

▼ 蚊帳の中で寝る。
⇒ 部屋にいる蚊を近づかせない。

▼ 扇風機をつける。
⇒ 蚊の飛行を邪魔する。

▼ 長ズボン、長袖、靴下の着用
⇒ 刺される場所をなくす。

▼ 蚊よけクリーム、スプレーを塗る。
⇒ 皮膚に蚊を寄せ付けない。


後でそれぞれの検証結果を載せます(笑)


マラリアの治療方法


マラリアワクチンはまだ製品化されていない


最も進んでいるのが、グラクソ・スミスクラインのRTS,S/AS01というマラリアワクチンが、臨床を終了し、2014年EUへ薬事申請した。30年にも渡る研究の集大成、何とか申請が通り、マラリアに対する新たな風穴を開けてほしい。成功すれば、ノーベル賞ものか!?


抗マラリア薬の予防的服用(予防薬)


継続的に服用することで、血中でのマラリア感染を抑制し、発症を予防する。しかし、薬剤耐性などにより効果は100%ではない。副作用があるものが多く、郊外に行く人や長期滞在者以外にはオススメではない。


マラリア検査キット


マラリアに感染しているかどうか確認するキットも薬局で売られている。


抗マラリア薬による治療(スタンバイ治療、治療薬)


マラリアにも様々な有効成分があり、地域によって有効成分が耐性化されているものもあるので、慎重に選ばなければならない。スタンバイ治療とは、マラリアの感染が疑われた場合、できるだけ早く医療機関を受診することを前提に、抗マラリア薬を自己服用する緊急避難的な対処方法のことだ。



実際、僕たちがした対処法


蚊を寄せ付けない編


▼ 蚊取り線香、蚊取りマット等
⇒ 全ての蚊を除くことは出来ない。蚊取り線香より、マットのほうが効果はあった。
⇒ △

DSC061664.jpg


▼ 蚊帳の中で寝る。
⇒ 全ての宿に蚊帳があるとは限らない。あっても穴があいていることも。
⇒ △

▼ 扇風機をつける。
⇒ 背後からの攻撃には無防備だ。
⇒ ×

▼ 長ズボン、長袖、靴下の着用
⇒ これが一番だと思っていたが、服の上からでも刺してくる強力さ。アフリカの蚊を舐めてはいけない。
⇒ △

▼ 蚊よけクリーム、スプレーを塗る。
⇒ 50円の蚊よけクリームを買ってみた。これが一番効果的。本当に寄って来ない。長袖長ズボンより、良かった。涼しいし。ただ、経時的に効果が薄れていくので、ちょこちょこ塗りなおした方が良い。
⇒ ○

DSC061704.jpg


マラリア治療編


▼ 抗マラリア薬の予防的服用(予防薬)
⇒ 副作用があり、薬剤耐性などにより効果は100%ではない。僕達は2人旅なので、マラリアが発症してももう1人がサポートできる。薬剤耐性のある原虫によってマラリアが発症した際、予防薬を飲んでいるからと安心し、対処が遅れると思い、予防薬は却下した。

▼ マラリア検査キット
⇒ 偽陰性の可能性があるので却下。感染していて、偽陰性に騙されてしまうと、取り返しがつかない。
⇒ ×

▼ 抗マラリア薬による治療(スタンバイ治療、治療薬)
⇒ 初めは、すぐに病院に行けば良いと思っていたが、郊外で発症すると、取り返しがつかない。数ある薬の中で、薬剤耐性がなく、熱帯性マラリアへの効果が顕著に高く、WHOも推奨しているアーテメター・ルメファントリン合剤「コアルテム(ノヴァルティス)」を購入した。コアルテムはスタンバイ治療にも対応しているので、万能薬だと言える。アトバコン・プログアニル合剤「マラロン」もコアルテム同様、効果が高く優れている。コアルテムはジェネリックなので、価格が安く、アフリカでも手に入れやすいと思われる。
⇒ ○

アーテメター・ルメファントリン合剤「コアルテム(24錠入り)」 ノバルティス製のジェネリック医薬品
15000タンザニアシリング(900~1000円ぐらい)

DSC060274.jpg

アーテメター20mgとルメファントリン120mgの合剤。薬剤耐性マラリアにも有効。
熱帯熱マラリアや熱帯熱を含む混合マラリアに有効、発症24時間以内に服用開始、吸収を良くするためミルクなど脂肪食と共に服用するとよい。服用1時間以内に吐いてしまった場合は再び服用すること。
服用方法:初回4錠8時間後4錠、2日目と3日目に4錠ずつ1日2回



タンザニア モシで抗マラリア薬を購入しよう



日本だとマラリア自体がないので、抗マラリア薬が売られていない。
販売されていたとしても、日本では抗マラリア薬は処方せん医薬品なので、まずは医師の診察を受けて、処方せんにより薬局で薬を購入しなければならない。熱帯熱マラリアに効果が高く、副作用が少ないコアルテムやマラロンは日本では元々保険適用外なので、全額自費負担になる。保険適用内のキニーネは副作用が強烈なことで有名だ。また、抗マラリア薬を予防目的で使用する場合も、保険がきかず全額自費負担になり、かなりの出費となるだろう。

しかし、現地の薬局で買うとある程度安い。
しかも、医師による処方箋など必要なく、正露丸を買うような感覚で購入できる。

今回、桑爺の紹介の店で購入した。
薬問屋のようで、ここら周辺で一番品揃えが良いらしい。
在住者の意見は本当に心強い。

KILIMANI PHARMACY GPS(-3.352341, 37.339887)

DSC004734.jpg



これで、マラリアの対処も完璧なはず!?
対処してもかからない事が一番!!


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今回の記事の内容は、WHOの2015年ファクトシート(マラリアについて)旅してに記載されている抗マラリア薬(詳細)を参考にしている。

この「旅して」は薬剤師の方が世界を回っているようで、薬に関する造詣が深く、僕達の疑問を全て解決して、導いてくれたと言って良い。本当にオススメサイトだ。
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2015 / 08 / 01 | Category : タンザニア  | comments(0) | 

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