海外を自転車で走る際、長期計画、中期計画、短期計画を立てて進んでいる。
何やら、ビジネスでも同じようなことを言っている気がするが、自転車旅行でも長期(年単位、季節単位)、中期(月単位)、短期(日単位)で走行ルートを考えている。

行きたい場所、気象条件、道路状況、治安、ビザなどを鑑みて、それぞれのルートを選定していく。

今回、カンボジアからラオス、ベトナム、中国に抜けるルートを例示しつつ、海外自転車旅行のルートの選定方法を紹介しようと思う。


海外自転車旅行のルートの選定方法


年中暖かい時期に走る


world-map.jpg

北半球と南半球では気候が逆で、赤道付近は年中暖かい。
このことを利用して、年中できるだけ暖かい時期を走ることが大事だ。
氷点下が続くような場所で吹雪に遭遇してしまうと命に関わるので、避けるべきだ。また、暖かくても雨季に当たると、快適に進めないため、これもできるだけ避けたい。


行きたい場所を抽出


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世界を走るに当たり、事前に絶対行きたい場所・ベストシーズンを調べておき、タイミングを合わすと、ある程度のルートが決まる。
移動速度が遅い自転車では、バックパッカーのようにピンポイントで数多くの行きたい場所にはいけないが、月単位であれば、行ける可能性が高い。

僕たちの場合は、1年目の11月~12月にキリマンジャロ(タンザニア)、2年目の10月~11月にエベレスト(ネパール)を固定してルートを考えていた(長期計画)。
その上で、1年目の春・夏・秋は北半球、冬は南半球、2年目の春・夏・秋は北半球、冬は赤道付近で寒さ対策をしていた(季節単位)。

月単位の計画は、その国の滞在期間が重要になってくる。


各国の滞在可能日数を調査


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海外を自転車で走る際、陸路での国境通過は避けられない。
海外の自転車旅行では、その国々で滞在期間が決まっている(ビザ期間・ビザ免除期間)ため、その期間内でどう動き、どう次の国に抜けるかを考慮して進まなければならない。
ちなみにヨーロッパの国々を複数まわる場合は、日本との二国間協定の滞在日数よりも、シェンゲン同盟というヨーロッパ単位での滞在日数を考えなければならない。
⇒ ヨーロッパ長期旅行の悩みの種!「シェンゲン協定」と「二国間協定」の曖昧さ

カンボジア ⇒ ラオス ⇒ ベトナム ⇒ 中国 のルートであれば、
ラオス:滞在日数が入国日を含め15日以内(14泊15日)であれば、ビザ免除
⇒ ラオス情報文化観光省
ベトナム、中国:ラオスと同様に15日以内であれば、ビザ免除

各国15日以内に出国できるルートを考えなければならない。


走行日数・距離の設定


自分の体力を知ることが大事だ。
1日の限界距離を把握するより大事なのは、疲れない移動距離(1日)。
限界距離まで走ると、疲れが蓄積し、動けなくなる可能性がある。
とくに、体力にそこまで自信がない僕たちのようなチャリダーは基本的に疲れない距離を走っている。
その距離に滞在日数を掛ける。

ではない。

気象条件や体調の変化、休息日、観光日など自転車で走る以外の日数も必要になる。

15日なら10日走って、5日予備の計算をする。
ゆっくり進むなら
10(日)×60(km)=600(km)
速めに進むなら
10(日)×80(km)=800(km)

僕たちが疲れず走るなら15日で600~800km(実質走行日は10日程度)が丁度良い。
僕たちはゆっくり走るため、この距離だが、一般的なチャリダーはもっと長い距離設定だと思う。


国境の調査


lao-vet-chi.jpg
(ラオス⇒ベトナム⇒中国の国境)

まず、地図から国境を抽出する。
抽出方法は
① 双方の国の道路がつながっているところを見つける
② 国境の情報を集める

国境がありそうであれば、
① 起伏のない道を探す
② ある程度大きな街が点在している(最大100キロ程度)道を探す

僕たちは野宿したくない・出来る限り登りたくない。
という、チャリダーの中では珍しい脆弱チャリダーであるため、情報が鍵を握っている(笑)
力がない分、頭でカバーしようという作戦(笑)

今回のケースでは、カンボジアからラオスに入国し、中国に抜けるルートを作る場合、以下のようなマッピングができる。

lao-vet-chi.jpg
青マル:ラオス⇒ベトナムの国境(6ヶ所以上)
赤マル:ベトナム⇒中国の国境(3ヶ所以上)

実際もっとあるかもしれないが、地図上から読み取れ、大回りせずに行けそうな国境数は上記の通りだ。
中国までビザなしで自走するならば、

青3または4 ⇒ 赤2または赤3
青2 ⇒ 赤1

であれば、「頑張れば」いけるだろう。


求められる柔軟性


lao-vet.jpg

当初練っていたラオス・ベトナム国境は青4。
実際通った国境は手前の青5(笑)

青5になった理由は
① 予想以上に暑かった
② 予想以上に連泊してしまった
③ ベトナムで行きたいスポットを発見し、青5から近かった
④ 青4のルートでは野宿が必要な予感がした

気象変化や体調変化はよくあること。
途中で行きたいところを発見するのもよくあること(今回の最大の理由は③)。

情報量が多いと、選択肢が増す。
自転車旅のルートの決まりごとは何一つない。
数ある選択肢の中から、自由に毎日選択し、進んでいく。
(もちろん、滞在期間の制約がある中で)

ただ全く情報のない中、自転車で気ままに進む。
というスタイルは面白く、自転車旅だからこそ可能だ。
しかし、今回は自分1人ではないという点から、不測の事態が極力少ないよう考えなければならないため、事前の情報収集は怠らなかった。安全に配慮したルート設計は情報が鍵を握る。


今回、アジア編での走行ルートの紹介だったが、ヨーロッパでは違う考え方をしなければならない。
ヨーロッパの国境はあってないようなものだし、自転車は自転車道「ユーロヴェロ」を通って走る。
⇒ ヨーロッパの自転車道「ユーロヴェロ」の本当の意味から日本の自転車道を考える
⇒ 一度使ったら手放せない!自転車乗り必須地図アプリ「Galileo オフライン地図」


それぞれの場所に適した情報を引き出し当てはめていく柔軟性が、安全に自転車旅をするには大事なことだと思う。

何をするにも、知らないことが有利になることは少ない。
情報は安全を確保するのには大きな武器になるのは間違いない。
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2017 / 11 / 27 | Category : 〔地球の走り方 ルート&宿情報 〕  | comments(0) | 

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